(2019年1月30日に狛犬確認に再参詣しました。その時の記事は
こちら)
雪が溶け出したので神社巡り。位置がはっきりしないので左右を見ながら神社を捜すが見あたらない。地元の方にお聞きしてやっと分かりました。
東伯郡琴浦町大父の集落内、電柱に小さく神社の案内が貼ってありました。左折して狭い道を進むと正面に「大父神社」(東伯郡琴浦町大父988)。右に広い駐車場があります。後からわかりましたが、集落を抜けた所から左折した方が道が広いです。
鳥居の後ろは社務所でしょうか。そこを潜ってお参りする様です。左奥に赤屋根の社が見えています。

社務所を抜けて数段上ると入母屋造り妻入り赤瓦の拝殿、境内はこぢんまりとしています。

石段の両脇には狛犬とキツネ。流れる様な鬣、少しはすかいに構えた阿形。キツネは朽ちて丸くなっています。

拝殿の注連縄は珍しい形。左綯いと右綯いが対になり、中央から両側に伸びています。〆の子もどっしりとしています。その上には、龍の彫刻。

(2019年1月30日追記)
注連縄は夫婦綯えと言われるものです。拝殿妻には鶴の彫刻があります。

本殿は切妻造、唐破風の向拝。正面両脇には彫刻がありますが、軒下にはありません。唐破風下は見えません。
(2019年1月30日追記)
本殿は春日造変態、唐破風向拝です。

扉の両脇には龍の彫刻。

右は阿形下り龍、左は玉を握った吽形昇り龍、彫りも深くくっきりとしています。

拝殿、本殿を見ながらも気になって仕方がなかった、赤い屋根の小さな境内社。赤い社なら稲荷神社を思い出しますが、こちらはどうでしょうか。石段横にもキツネがいたのでそうなのか?

造りは本殿と同じ。唐破風下には対峙する双龍、その上には右は麒麟と左は不明、一番上は鳳凰。彫刻が集まって一段と迫力あります。左木鼻の獅子は歯を見せ、にやっとしてるみたいです。
(2019年1月30日追記)
不明であった左はたぶん麒麟の雌と思います。造りは春日造変態、このタイプは中部に多く、明治初期までに建てられたものです。多くの場合旧本殿として残されています。

その奥、扉上部には菅笠・蓑姿の田植え風景、舟は田植えには欠かせないものだったのか。豊穣を祈ったモチーフです。

屋根を支える組木(斗栱ときょう)は複雑で入り組み、下から上に段を追って張り出しています。

右側面は波に兎。顔つきは兎らしくありませんけど。

その並び、向拝側面は薄くなっていて判別し難いが、下に伏せた兎、上に蓮と麒麟。

(2019年1月30日追記)
再確認しました。下に兎はいませんでした。そして上ですがやはり非常に難しく今回は「牡丹に獅子」に見えました。

裏側は横いっぱいに葉を広げた蕪、よく見ると2匹の小動物、葉は一部喰われて欠けている様子を再現。そして上の花模様のさらに上、柱から身を出した兎を発見。大瓶束(たいへいづか)を兎の体に見立ててある。遊び心いっぱいの裏側です

蕪の部分を拡大すると、小動物の一匹は葉の下から、もう一匹は蕪の上に。ネズミの様に見えます。特に蕪の上のミッキーマウスみたいなのは小さいので見落とす。発見した時は、にやりとしてしまいました。

急いでいたとは言え、向かって左側面の彫刻の写真を撮り忘れると言う痛恨のミス。いつか再訪して確認しなきゃです。
小さい境内社ですが彫り物が濃縮されていて、特に正面の田植え姿と裏の蕪は印象深かったです。
(2016年2月20日追記)
冷たい雨が降る日でしたが、撮り忘れた左側面の彫刻を撮りに再び行ってきました。境内の雪もまだ完全には溶けていませんでした。
左側面の彫刻は、長寿を象徴する蓑亀でした。
鳥取神社巡り一覧
- 2016/01/31(日) 22:34:20|
- 巨木・神社・温泉・旅|
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コメント:2
はじめまして。兵庫のしまだと申します。
このブログとても参考になりありがとうございます。
このページにあるかぶらとねずみの彫刻のことですが、
これは判じ物なんです。
ねずみは大黒天のお使いで、そのねずみが
(かぶらでなく)だいこんをかじっている。
つまり大根喰う→だいこくう→大黒というダジャレです。
この彫刻はあの神崎神社にもありますが解説はありません。
- 2022/10/09(日) 19:16:24 |
- URL |
- 島田一志 #-
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コメントありがとうございます。蕪とねずみの組み合わせは数カ所で確認しています。私は五穀豊穣と子孫繁栄の象徴と理解していましたが、まさか判じ物とは。大黒ですか~。諸説ありですね。
- 2022/10/10(月) 21:13:48 |
- URL |
- ひさごん #TUPMmKso
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